2013年から開始された心臓血管麻酔正式専門医認定に対して認定試験が開始されました。

試験時間:120分
試験形式:CBTによる筆記試験(選択式)
問題数:80問(知識問題 55~60問、臨床問題 20~25問)
問題形式:選択肢5つのなかから、1つor2つ選べ
2つの場合は2つとも合っている場合のみ正解
 
試験対策
日本心臓血管麻酔学会のホームページに認定試験のための推薦教科書が掲載されています。
 
 推薦教科書:
〈成人心臓麻酔〉
Kaplan's Cardiac Anesthesia 第6版 2011年4月発行
Joel A. Kaplan 、David L. Reich 、Joseph S. Savino
〈小児心臓麻酔〉
Pediatric Cardiac Anesthesia 第4版 2004年12月発行
Carol L. Lake and Peter D. Booker
〈人工心肺〉
Cardiopulmonary Bypass: Principles and Practice 第3版 2007年9月発行
Glenn P. Gravlee, Richard F. Davis MD, Alfred H. Stammers
(日本語訳「人工心肺 -その原理と実際」 新見能成 訳 2010年5月発行)
Gravlee各章重要度はこちら
(出題は、原則、重要度AおよびBより行います。)
<心臓血管外科>
心臓血管外科テキスト 改訂2版 2011年9月発行 中外医学社
 
要するに英語の教科書で勉強するということですね。
これを見てため息をついている先生も多いのではないでしょうか。
もちろん、理想はこれらを制覇することですが・・・。
試験まで時間もないし、日常業務も忙しいので、なるべく日本語の教科書でサクッと勉強したいと思いませんか。
そこで、私なりの試験合格のための最短ルートを紹介します。もちろん、すべて日本語です。(注:私の勝手なおすすめなので試験合格を保証するものではありません)
 
〈成人心臓麻酔〉
「心臓手術の麻酔 第3版 監訳 新見能成 メディカル・サイエンス・インターナショナル」
今回の試験勉強の核となる教科書のひとつです。基本的なことからきちんと記載があり、試験対策には最適であると考えます。手を抜かずはじめから最後まですべて読みましょう。
 
まだ時間に余裕のある先生には以下の教科書もおすすめします。
「心臓手術の周術期管理 監訳 天野篤 メディカル・サイエンス・インターナショナル」
心臓手術の麻酔 第3版ではあまり記載のなかった術前・術後管理のことが学べます。
また、心臓移植やVADでしたら「Lisa 別冊12 p82-91がよくまとまっています。
 
〈小児心臓麻酔〉
小児心臓麻酔に特化した日本語の教科書は私の知るところありません。ですので、雑誌の特集や教育講演、シンポジウムなどで勉強するのが一番良いです。おすすめを以下に列挙します。
「Cardiovascular Anesthesia vol.13 No.1 2009 p21-53」
「Cardiovascular Anesthesia vol.15 No.1 2011 p63-71」
「臨床麻酔 vol.21 No.8 1997-8 p1196-1203」
「臨床麻酔 vol.33 No.12 2009-12 p1857-1895」
「臨床麻酔 臨時増刊号 2008-3 p393-404」
これらを制覇できれば小児の試験のガイドラインはほぼ網羅できます。
「心臓手術の麻酔 第3版 監訳 新見能成 メディカル・サイエンス・インターナショナル」の先天性心疾患患者の麻酔管理 p407-473も非常によくまとまっているので試験には最適です。
また、先天性心疾患の血行動態や胎児循環を学ぶには
「先天性心疾患の血行動態 治療へのアプローチ 金子幸裕 他 著 文光堂」
心臓発生学を学ぶには
「図解 先天性心疾患 第2版 高橋長裕 著 医学書院」
がおすすめです。
これらで小児心臓麻酔は合格点がとれると確信しています。
 
〈人工心肺〉
「人工心肺 その原理と実際 新見能成 監訳」
この分野はこれで十分です。ホームページに各章重要度の記載があり、「出題は、原則、重要度AおよびBより行います。」とありますのでAとBのみを読めば良いかと考えます。ボリュームがありますが非常の読みやすいため、あまり抵抗はないはずです。
 
〈内容を知っておくべき診療ガイドライン〉
「'GUIDELINE FOR PREVENTION OF SURGICAL SITE INFECTION, 1999' from Centers for Disease Control and Prevention」
「Perioperative Blood Transfusion and Blood Conservation in Cardiac Surgery: The Society of Thoracic Surgeons and The Society of Cardiovascular Anesthesiologists Clinical Practice Guideline」
「2008 Focused Update Incorporated Into the ACC/AHA 2006 Guidelines for the Management of Patients With Valvular Heart Disease」
「2009 ACCF/AHA focused update on perioperative beta blockade incorporated into the ACC/AHA 2007 guidelines on perioperative cardiovascular evaluation and care for noncardiac surgery.」
「2010 ACCF/AHA/AATS/ACR/ASA/SCA/SCAI/SIR/STS/SVM Guidelines for the Diagnosis and Management of Patients With Thoracic Aortic Disease」
「2011 ACCF/AHA Guideline for Coronary Artery Bypass Graft Surgery: Executive Summary」
「循環器疾患における抗凝固・抗血小板療法に関するガイドライン(2009年改訂版) 日本循環器学会 他」
「大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドライン」
「虚血性心疾患に対するバイパスグラフトと手術術式の選択ガイドライン(2011年改訂版)」
「肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断、治療、予防に関するガイドライン(2009年改訂版)」
「心房細動における抗血栓療法に関する緊急ステートメント」
「脳血管障害、腎機能障害、末梢血管障害を合併した心疾患の管理に関するガイドライン(術前評価・麻酔・術後管理に関連する箇所のみ)」
 
実はこれらガイドラインが最も点数に結びつくのではと考えます。
ですので、これだけは英語ですが気合でがんばってください。絶対はずせないです。
 
〈TEE〉
第一回の試験ではTEEはほとんど出題されませんでした。ただ、最低限は抑えておくのが無難でしょう。原理はやらなくていいです。
収縮能や拡張能はTEE本が一番よくまとまっています。
 
〈まとめ〉
絶対やるもの
「心臓手術の麻酔 第3版 監訳 新見能成 メディカル・サイエンス・インターナショナル」
「人工心肺 その原理と実際 新見能成 監訳」のAとB
「Cardiovascular Anesthesia vol.13 No.1 2009 p21-53」
「Cardiovascular Anesthesia vol.15 No.1 2011 p63-71」
「臨床麻酔 vol.21 No.8 1997-8 p1196-1203」
「臨床麻酔 vol.33 No.12 2009-12 p1857-1895」
「臨床麻酔 臨時増刊号 2008-3 p393-404」
〈内容を知っておくべき診療ガイドライン〉すべて
 
これらを制覇したら、試験のガイドラインを確認し自分の弱点を埋める。
以上で、心臓血管麻酔専門医正式認定試験には余裕をもって合格できるはずです。
範囲が非常に広いですが気合でがんばりましょう。 (文責 遠山裕樹)