• 2016年に米国の3学会が術後鎮痛について合同でガイドラインを提唱した。

 Guidelines on the Management of Postoperative Pain. The journal of Pain. 2016. 17. 131-157

  • 肺切除術、下肢関節手術、肩関節手術、帝王切開術、痔核手術、包茎手術に対し末梢神経ブロックをmultimodal analgesiaの一つとして取り入れることを成人、小児ともに強いエビデンスをもって推奨している。(Recommendation23)
  • カテーテル留置による持続鎮痛についても中等度のエビデンスではあるが強く推奨している。(Recommendation24)
  • 心疾患、肺疾患、イレウスの遷延に対し、神経幹ブロックを成人、小児ともに強いエビデンスをもって推奨している。(Recommendation26)

意識下でおこなうべきかという点については議論の余地がある。

Applications of regional anesthesia in pediatrics. BJA2013. 111. 114-124では

  • 成人では意識下にブロックを行うのが一般的

①Paresthesias or pain during block placement,

②symptoms of local anaesthetic systemic toxicity (LAST),

③progression of sensory or motor block after injection

  • 小児では全身麻酔下の施行は安全

Anesth Analg 1996; 83: 904–12

Reg Anesth Pain Med 1998; 23: 433–8

Paediatr Anaesth 2007; 17: 520–33

  Asleep Versus Awake: Does it matter? RAPM 2014.39.279-83 では

  • PRANに所属する18の小児病院の2007~2012年の区域麻酔症例で合併症を全身麻酔(GA)下、鎮静下、意識下で比較(50590人 vs 2060人 vs 869人)
  • Neurologic symptoms (PONSs) と local anesthetic systemic toxicity (LAST)の頻度
  • 10-18歳 (34.6%), 3-10歳(21.8%), 1-3歳(14.9%), 6-12ヶ月(15.3%), 6ヶ月未満(10.7%), 1ヶ月未満(2.7%)
  • 各年齢で99.0~87.7%はGA下
  • 6ヶ月以上継続したPONs-Lは鎮静下であった1例
  • PONs: GA (0.93/1000) sedated/awake (6.82/1000)
  • LAST: GA (0.08/1000)  sedated/awake (0.34/1000)

少なくとも小児において全麻下で合併症が多いというエビデンスはなさそう。

そもそも末梢神経ブロックによる神経障害の発生率はそうとう低いので、全身麻酔がリスクとなるエビデンス自体得ることが困難。ただ し、かりに合併症が起きた時の対応を考えると、可能であれば全麻下はさけるべきと思われる。