デジタルピルを用いて外来でのオピオイド内服状況を把握できるのかという論文がありましたので読みました。

Oxycodone Ingestion Patterns in Acute Fracture Pain with Digital Pills

Peter R. Chai, MD, MMS,* Stephanie Carreiro, MD,† Brendan J. Innes, BS,† Brittany Chapman, BS,† Kristin L. Schreiber, MD, PhD,‡ Robert R. Edwards, PhD,‡ Adam W. Carrico, PhD,§  and Edward W. Boyer, MD, PhD*

December 2017 – Volume 125 - Anesthesia & Analgesia

〇背景

外来診療において、オピオイドは頓用で処方されることが多いです。しかし、実際の服用パターンや、どの程度の痛みをカバーしたいのかということは、医師が把握することは困難です。さらに、余剰に処方してしまうと、転用される危険性もあります。そのため、耐性や中毒を予防しつつ、適切な介入が必要となります。そこで本研究では、デジタルピルを用いて、急性疼痛時の実際のオピオイド摂取のパターンを把握することを目的としました。

〇方法

デジタルピルというゼラチンカプセルの中にバイオセンサーとオキシコドン5㎎が入ったものを使用しました。このデジタルピルは摂取時にゼラチン質が溶解し、胃の塩化物イオンで活性化されることで体表に貼付したリーダにデータを発信します。そこからクラウドベースのサーバーにデータを中継します。対象となる患者は救急外来を受診した急性骨折者でオピオイド未経験者としました。疼痛時にデジタルピルを服用するよう指示(2錠まで)し、調査期間は7日間としました。

〇結果

15人が研究に参加し、15人中7人が手術を必要としました。骨折部位は様々でした。デジタルピルからは、134錠中112錠が内服されたと記録されました(精度84%)。精度が低かった患者の原因は、リーダをつけ忘れたもしくは、充電忘れでした。全体では6錠のオキシコドン(45㎎モルヒネ相当)を内服し、全オキシコドンの82%が退院後72時間以内に内服されました。1週間後も内服継続していた患者は手術した患者では86%、非手術患者では0%でした。退院3日後には全体の46%の患者がオキシコドン内服を中止しました。

〇結論

大部分の患者が、短期間だけオピオイドを自己投与し、自ら投与を中止しました。これは医師に処方された期間よりも短期間でした。このことから、処方量を減らし、適切に内服を減量する指導が可能となり、処方精度が改善する可能性が示唆されました。