ロクロニウムの投与により、患者の腕が動くことがしばしばあるかと思います。

このロクロニウム投与時の逃避行動の原因は浸透圧や溶液のpH、ヒスタミン・キニンなどの内因性炎症メディエーターが原因と言われていますが、はっきりとした機序は解明されていません。

そこで、

Rocuronium Bromide Inhibits Inflammation and Pain by Suppressing Nitric Oxide Production and Enhancing ProstaglandinE2 Synthesis in Endothelial Cells

Int Neuroural J 2016; 20: 296-303

という論文を読みました。本研究ではロクロニウムが血管内皮細胞の炎症及び痛みの誘発に関与しているかどうかを調べています。

方法:

ロクロニウム処理後の子ウシ肺動脈内皮(CPAE)細胞を用いて MTTアッセイとCOX-1、COX-2、iNOS、eNOS、のウェスタンブロットおよびNO、PGE2のイムノアッセイを行いました。

結果:

ロクロニウム投与により、

①COX-2増加:COX-2を介した炎症反応が生じる

②iNOS増加:痛覚過敏状態

③eNOS減少:血管壁の炎症

④NO減少:微小循環障害⇒ロクロニウムの血管内停滞

⑤PGE2増加によって痛みが生じる

以上より、

ロクロニウムによる血管痛は、

NOPGE2

に関係していることが示唆されました。