TAVIにおけるRapid Pacing中の低血圧を用いてCNAPの精度を検証してみようという論文がありましたので読みました。

 

The Accuracy and Responsiveness of Continuous Noninvasive Arterial Pressure During Rapid Ventricular Pacing for Transcatheter Aortic Valve Replacement

Schramm, Christoph MD; Huber, Anja; Plaschke, Konstanze PhD

Anesthesia & Analgesia: July 2013 – Volume 117 – Issue 1 – p 76–82

 

〇背景

非侵襲的動脈血圧(CNAP)とは2本の指に装着した近赤外光センサとエアーチャンバーで、連続血圧波形を測定する装置である。非侵襲的に動脈圧を測定できるが、突然の血低下時の測定精度は不明であった。そこで鎮静下のTAVIにおけるRapid Pacing中の低血圧時に、侵襲性動脈血圧(IAP)とCNAP装置と比較することを目的とした。

〇方法

2011年1月‐5月、ドイツのハイデルベルク大学にて行われた。症例は鎮静下のTAVIで、ASOやHDのシャントのある患者は除外した。CNAPを上肢に装着し、同側上肢に20GにてIAPを測定した。麻酔はプロポフォール(平均1.3mg/kg/h)及びレミフェンタニル(平均0.03μg/kg/min)で行い、鎮静下に手術を行った。Rapid Pacingは1分当たり180-200の心室ペーシングで、収縮期動脈血圧が約110から40mmHgまで低下する方法と定義した。

〇結果

33人が参加し、ASAはⅢ 73%、Ⅳ 27%、血圧測定時間は平均80分であった。CNAPとIAPのバイアス(平均±SD)は収縮期血圧-6.3±18.9、拡張期血圧7.4±10.5、平均血圧4.0±11.3であり、拡張期血圧、平均値はややCNAPの方が高値となったが、収縮期血圧は有意差が無く、Rapid Pacingによって重度の低血圧に移行するまでの時間反応性にも有意差を認めなかった。

〇結論

CNAPはRapid Pacingのような急激な血圧低下でも、遅延なく、収縮期血圧に関してはほぼ正確に反応することが可能であった。CNAPの拡張期圧が高くなる可能性としてRapid Pacing中にCVPが約2〜4mmHg上昇した事が原因の可能性が考えられる。今回、TAVIのRapid Pacingを用いることで、被験者に追加のリスクを伴わずに、心肺監視装置を評価することが出来た。今後は末梢灌流障害の長期化した患者等での有効性を検証することが必要である。