先日、悪性高熱症を疑う症例を経験し、診断のために血尿かミオグロビン尿かを鑑別したいということがありました。教科書では悪性高熱の診断項目に着色尿とありますが、色の判断は主観的であり、それを根拠に麻酔方法を変えることは難しいと感じました。

そこで今回はミオグロビン尿の定性分析について教科書的なことをまとめてみました。

症例は2歳女児、 先天性腎盂尿細管移行部狭窄症のための腎盂形成術を予定されており、
周産期を含め、明らかな合併症はありませんでした。麻酔方法はGOS slow AOSRFでした。

手術開始後、適切な換気条件にも関わらず、軽度のEtCO2上昇を認め、末梢温も上昇傾向、中枢温は39度まで上昇していました。

尿は赤褐色を呈しておりましたが、腎盂形成をしているため、状況から考えると血尿です。しかし、悪性高熱によるミオグロビン尿を鑑別する必要がありました。

術後の悪性高熱の診断に用いられているCGS(Clinical Grading Scale)に照らし合わせると、周術期のコーラ様着色尿で10点、不適当な高体温で10点、合計20点となり、悪性高熱の可能性ありとなります。しかし、尿がミオグロビン尿ではないと診断できると、10点ですので悪性高熱の可能性は低いと診断できます。

ミオグロビン尿の定性分析にはBlondheim塩析法が用いられており、硫酸アンモニウムと尿を混ぜ、そのろ液が無色であればミオグロビン尿、着色尿であればヘモグロビン尿となるそうです。検査自体は30分程度であり、採血のように侵襲的ではないので手軽に検査することが可能です。

医中誌では着色尿ではないミオグロビン尿の報告も散見され、やはり色での判断は難しいといえるのではないでしょうか?